小児の顎顔面矯正について

顎顔面矯正は「顎の骨の発達育成」を考えた治療法で、歯並びがよくなるだけでなく、全身的な健康向上にも有効です。

主となる方法は、拡大装置を用いた上顎の成長促進です。

上顎骨は下顎骨よりも早く成長が止まるため、小児のうちに上顎骨の成長促進をしておくことが重要です。

上顎の拡大で、次のような効果が期待できます。

・永久歯のスペースができる→将来の抜歯矯正を回避できる可能性が高くなる

・お口の体積が広くなる→舌の可動域が広くなり滑舌がよくなる

・低位舌の改善がしやすくなる→鼻呼吸がしやすくなる

・後戻りしにくい→歯だけではなく顎骨から拡大しているため安定しやすい

全身的には、アトピー性皮膚炎の改善や睡眠時無呼吸症候群の予防などが挙げられます。

ぱっと見て歯並びが悪くなくない場合や、まだ永久歯が生えてきていない場合でも、矯正治療をした方が良い場合があります。

特に反対咬合や前歯しか生えていない部分がすでにガタガタしている場合は、早めの治療がお勧めです。

成長が進むとできることが限られることもあるので、心配な人は一度専門家にみてもらうとよいでしょう。