上顎と下顎の成長時期の違い
不正咬合の始まりは上顎の成長不足です。
10歳頃までに上顎の成長は止まります。一方、下顎は思春期以降まで成長が続きます。
ですから成長とともに自然に歯並びが良くなるのでは、という期待は残念ながら裏切られることになります。
さらに、遺伝的な要因などがあると骨格的な異常まで加わり、簡単な矯正治療では対応できなくなる可能性もあります。
小児矯正を早く始めるメリット
適切な時期に上顎の成長促進を行うと、永久歯がきれいに並ぶだけでなくいくつもの利点があります。
・横顔の審美性の改善
平面的な横顔が立体的な横顔になります。
・噛み合わせの改善
永久歯の生える場所ができて綺麗な歯並びになり、上顎と下顎の噛み合わせ状態もよくなります。
・低位舌の改善
口呼吸がある人は低位舌になりますが、上顎の拡大により気道が広がり鼻呼吸が獲得できると、舌の位置もよくなります。
低位舌は歯並びの悪さにも関係があるので、矯正と併せて治したい部分です。
・姿勢の改善
鼻呼吸が獲得できると、顎を上げなくても楽に息ができるようになり、姿勢もよくなります。
小児矯正での横顔の変化の例
6歳で矯正治療を始めたこのケースでは、セファロから次のような変化がみとめられます。
・ボリュームのない上唇が立体感のある唇になった。
・受け口が治った。
・低位舌が治った。
・姿勢がよくなった。
早めの治療開始がお勧めの歯並びの例
・受け口傾向のある歯並び(反対咬合)
・永久歯の前歯がガタガタしている歯並び(叢生)
・深い噛み合わせ(過蓋咬合)
・顎が横にずれている噛み合わせ(交叉咬合)
上記のような状態の場合、5~7歳頃までに矯正治療を始めるのがお勧めです。