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銀の歯がいいですか?白の歯がいいですか?

さすがに前歯に銀が入っている人は見かけなくなりましたが、奥歯であっても銀歯を気にする人が増えてきたように思います。

奥歯の白い詰め物は以前は完全に保険適用外でしたが、現在は条件があえば白いものを選ぶこともできます。

 

しかし、銀か白かだけで決めるのはナンセンスです。

 

白といっても保険適用のものと保険適用外のものでは材質が異なるため、強度や適合が違います。

また状態によっては、型取りをして詰め物を入れる方法ではなく、直接詰める方法が選択肢に入る場合もあります。

そして何より大切なのは「歯に対する処置」がどのくらい丁寧になされているかです。

 

やみか歯科・矯正歯科 虫歯 詰め物 銀か白か

詰め物を長持ちさせるための処置ポイント

・虫歯を残さず取り切ること

虫歯で削らないといけない部分は、柔らかくなっています。この部分をまず目で見て確認後、機械で削って、手で持つ器具で削ってを繰り返していきます。ある程度取れた段階で、う蝕検知液という虫歯の部分だけが染まる液を使って取り残しがないかのチェックをします。その後まだ残っていればその部分を削って、検知液で染めてを繰り返し、検知液で染まらなくなるまで丁寧に削っていきます。

やみか歯科・矯正歯科 虫歯治療 齲蝕検知液 マイクロスコープ

・健全な部分を削りすぎないこと

虫歯をしっかり取りつつも虫歯でない健全な部分はなるべく削らない方が歯のためには良いので、先の細い器具を使用し慎重に虫歯を削っていきます。

・神経にダメージを与えないよう優しく削ること

深い虫歯になると歯の中の神経に近い部分を触ることになります。このような場合、削る時の熱などで神経がダメージを受けてしまうと後々炎症を起こすリスクがあるため、慎重に慎重に削る必要があります。最終的には手で持つ器具で時間をかけて優しく削っていきます。

やみか歯科・矯正歯科 マイクロスコープを使用した虫歯治療 

・歯ぐきから出血のない状態で型取りをすること

型取りの時に歯ぐきから出血していると、型が精密に取れません。型が精密に取れないと適合の悪い詰め物が出来上がってしまいます。歯ぐきからの出血予防として、術者が歯ぐきを傷つけないように慎重に施術を行うのは当然ですが、患者さん自身が手入れをしっかり行い、歯ぐきを健康な状態に保つことも重要です。

・詰め物を装着する前に、歯の汚れを徹底的に取ること

詰め物を入れる歯に着色やプラークがついていると、詰め物の接着を阻害します。詰め物を入れる前に歯の周囲をきれいに清掃してから入れることで、接着力が向上します。

・詰め物を装着する時に、だ液や血液などが入らないようにすること

接着力を低下させる原因の第一が「水分」です。口の中はだ液でいっぱいの状態ですので、特にだ液が入りやすい部分に接着させる場合はラバーダムが有効です。また少し触っただけで出血するような歯ぐきの腫れも大敵になります。上記の型取りと同じく患者さん自身が手入れをしっかり行い、歯ぐきを健康な状態に保つことも重要です。

 

詰め物の中にはご自身の大切な歯があります。その歯自体の処置が丁寧にされていないと何を入れても長持ちしません。

詰め物を選ぶ時には銀か白かだけでなく、総合的に決めるようにしたいものです。

一度詰めた歯が二次虫歯になると、その歯の寿命は短くなります。

歯を失わないためには、同じ歯への治療を重ねないような治療法を選択することが大切です。