シーラントとは
シーラントは、虫歯になりやすい歯の溝を物理的に封鎖することと、シーラント材に含まれているフッ素の効果で虫歯予防を期待する治療方法です。
シーラントが必要かどうかは、歯の形態(溝の深さ)や虫歯リスク(遺伝的要素、生活習慣など)から判断します。
全ての人に必要というわけではなく、むしろ中途半端にシーラントをするとかえって虫歯を誘発することになります。
虫歯を誘発しないシーラントのポイント
虫歯を誘発することのないシーラントには、歯との接着にカギがあります。
ポイントは2つ。汚れの除去と水分の除去です。
歯の表面の汚れや着色を徹底的に取ってから入れること
徹底的に汚れを取るためには、まず汚れを染め出しして目で見える状態にしてから行う必要があります。また溝の中まできれいにするのには、一般的な器具では到達できないため、エアフロー(ジェットパウダー)のような特殊器具を使うことが必要です。汚れを残したままシーラントを入れると、接着が甘くなり虫歯を誘発することになります。
水分(だ液)が入らないような環境で入れること
シーラントをするのは小学生くらいの子供さんの奥歯です。本来は、ラバーダムをかけてやるのが理想的ですが、生えかけの小児の歯にはうまくかけられないことも多いです。小児はだ液が多く、水分が入らないように施術を行うのは至難の技です。途中でだ液が入ってしまうと、接着が甘くなり虫歯を誘発することになります。
シーラントについて ~まとめ~
健康保険でのシーラント1本の費用は1000円少々ですので、実際の臨床で上記条件をクリアして入れるのは、時間的、コスト的に無理です。
ということで、今の私はシーラントを中途半端に入れるくらいなら、入れずに歯ブラシの徹底と定期検診でのフォローをした方がよいと思っています。どうしても必要という場合は、上記2つのポイントを守って施術をします。
シーラントに限らず歯に人工物を入れる時は、接着をしっかりさせることが歯を長持ちさせるために重要なポイントです。