乳歯から大人の歯に生え替わったら、何だか前歯が出ていて、口も閉じにくそう。
大人になって出っ歯のままだとかわいそうだけど、いつから矯正を始めたらよいのか悩ましいところですよね。
今回は小児の出っ歯についてお話します。
日本人の出っ歯の特徴
実は子どもの出っ歯は、日本人では上あご自体が大きいケースはほとんどありません。
以下のどちらかに当てはまることがほとんどです。
①下あごが小さく相対的に出っ歯に見える
②上あごが小さく、前歯が口の中に納まりきらず外側に傾斜している
子どもの出っ歯の治療例
上の前歯が出ているのを気にされて治療を開始しました。
②の上あごが小さいケースでしたのでまず拡大を行いました。
その後、上下のあごの前後の関係を治す装置を使いました。
1年間の変化は写真のとおりです。
歯が出ているのもよくなりましたが、歯列弓(しれつきゅう)の形もよくなりました。
歯列弓というのは、お口を開いた状態で並んでいる歯を結んでいった時のアーチのことです。
正常な歯列弓の形は丸く、半円状の形(U字型)をしていますが、あごが小さく、狭窄しているとV字型に近い形になります。
V字型歯列弓(狭窄歯列)の問題点
・スペースが足らず、歯並びがガタガタする
・出っ歯になる
・口元の突出感がある(口ゴボ)
・口呼吸が悪化する
子どもの出っ歯治療の開始時期
子どもの頃から矯正を始めるメリットは、歯だけでなく土台となるあごの骨格の修正ができることです。
土台がしっかりしていると、まだ生えてきていない永久歯も自然に良い場所に出てきてくれます。
長年子ども達の治療に携わってきた結果、子どもの矯正開始は低学年頃までが適切と考えています。