「大人の歯が生えてきたら歯の真ん中に突起がある!」
これは中心結節という歯の形態異常の一つです。
中心結節とは
・出現頻度は1〜2%くらい
・一番多く出現するのは、下あごの5番目の小臼歯
中心結節の問題点
突起が時間をかけてすり減っていく場合は問題ないのですが、ポキッと折れてしまうと歯の神経(歯髄)が露出してしまうことがあります。
歯の神経が露出すると、最悪の場合、神経を抜かなければいけません。この処置を抜髄(バツズイ)といいます。
まだ根の先まで完成していない小児の時期の抜髄は予知性に不安があるので、できれば避けたいものです。
中心結節の治療法
まずは中心結節が折れないように、突起の周囲をコンポジットレジンで補強する方法を行います。
この方法では、突起の根元の部分まで、歯の表面をきれいにして、唾液が入らないような環境で、すき間なくレジンを詰めることが重要なポイントになります。中途半端な施術を行うと、かえって虫歯を誘発してしまうこともあるので注意が必要です。
次に、残念ながら中心結節が折れてしまった場合の治療についてお話します。
折れてしまった場合は、折れた時期や症状、その他の条件などから総合的に判断し、完全に神経を取る抜髄を行うか、神経の一部を生きた状態で残す歯髄温存療法を行うかを決めます。
歯髄温存療法では、歯髄の活動性を残すことができ、歯根の長さがまだ短い状態であったとしても通常の長さ程度まで成長させることが期待できます。しかし精度の高い施術を行っても成功率は100%ではないことや、長期間のフォローがいるなどの注意点も理解しておくことが重要です。